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■木の住まい

国産の木で造る
自然の素材で造る
暮らしやすい室内環境を造る       ⇒どのような技術で造るのか
地震や風に強い構造で安全な環境を造る  ⇒どのような仕組みで造るのか
長く住むことができる

■木の住まいを造る技術

木の性質を最大限引き出す技術
木の弱点を組み込む技術         ⇒地球に負荷を残さない技術
構造力学に基づいた根拠のある技術
木の住まいを長持ちさせる技術

■木の住まいを造り、長く維持してゆく仕組み

国産材の生産者と共同の仕組み
大工との共同の仕組み
職人との共同の仕組み
技術を進化させる仕組み


これらのことを住まい造りの中で、トータルに実現しようとするのが私たちの仕事の方針です。


構造システムとしての渡り腮構法
木・自然素材(土)+技術

構造力学的に検証された技術で造る
国産の木と自然の材料で造る
建設から解体までの過程でゴミを出さない技術で造る



このような技術を住まいの造り方に具体化する設計技術

構造の技術と形

●渡り腮(わたりあご)構法
※渡り腮構法は、国産の杉を構造材に使用して、杉の持つ特性を最大限利用する構法として、構造家の山辺豊彦さんとの十数年の共同作業の中で作り上げた技術体系です。

梁を長く通して使い、梁同士を渡り腮で組む軸組み(梁通しの軸組み)
→木は長く通して使うほど構造的特性を引き出すことができる
→渡り腮の仕口は、木の収縮や変形に対して構造的な性能を損なわない
→木の弱点を、無理やり押さえ込むのではなく、構法の中に取り込んでしまう思想
渡り腮の軸組みに土壁のような、あまり固くは無くしかし粘りのある壁をバランス良く配置する
→渡り腮の軸組みとの組み合わせで、粘り強い構造体を造る
→壁の量を3割程度増すことで、耐震性能の向上と経年劣化にともなう耐力の減少を補う

木に従った木造技術の体系を構造力学に従って再編成する
その木造の技術をベースにした計画

木を自然に乾燥させた状態で使える
木の性能以上を求めない造り方は金物で補強する必要がない
地震に対して、ある程度の変形を許すことで、大地震にも倒壊することが無く、地震後変形を直すことで再使用できる

土壁は、粘りのあるの耐力壁を造る最良の材料
→渡り腮の軸組みと組み合わせて、粘り強い構造体を造ることが可能になる
土壁の構造力学的特性を分析して再評価する

●基礎
地盤調査のデータに基づく基礎の形状
→上部構造の耐震性能を確保する基礎設計
大きな通風孔を持つ基礎形状
→床下通風を確保することで、建物を長く維持する環境を作り出す

快適な室内環境を造る技術と形

自然乾燥させた杉や桧の柱と梁の骨組みを室内に現す
土壁にしっくいを塗った壁と杉板の壁の組み合わせ  ⇒木や土の調湿作用を最大限引き出す
自然乾燥させた杉や桧の床や天井
自然乾燥させた木で造った家具

通風を重視した平面計画
深い軒の出                    ⇒外部環境を制御する形
大きな通風孔を持つコンクリートの基礎
ペアガラスの外部建具
結露を防ぐ通気層を持つ屋根と外壁

住まいを長持ちさせる技術と形

長い時間にも変形することの無い構造材の寸法の自主基準
構造力学に基づいた骨組みの設計
構造力学に基づいた耐震性能の設計
地盤調査の結果から設計する基礎
外壁を雨・風から守る深い軒の出
コーキングに頼らない雨仕舞い
細かい納まりの設計



仕組み:どのような共同の中で仕事を進めるのか

山辺構造設計事務所との共同研究と共同作業

木構造を構造力学的に再編成すると同時に、実大の壁の加力試験や仕口の引っ張り試験によって、それを実証する試み
木造住宅を一つの構造システムとして解析して、その解析に基いて構造を作りあげる「渡り腮構法」の構築と展開
研究と同時に実践でも共同を続ける

大工塾のつながり

1998年から山辺事務所との共同主催で始めた大工さんとの勉強会
東洋大学との共催となり、6回目までの塾生が121人
木構造の実践的な理解と環境問題が中心の講義
塾生の間では、木構造のシステム論による造り方、それを実現する技術、環境に対する姿勢が共有されている
全国に広がる大工のネットワークの形成→大工同士の活発なやり取り
丹呉事務所と山辺事務所の木構造相談窓口
全国で大工塾の塾生との家造り

山とのつながり

秋田杉の産地との産直システム「モクネット」の創設1980年
徳島の和田善行さんとの仕事
埼玉の大河原章吉さんとの仕事


技術と仕組みづくりの経過

1986年

木と生活を考える会−大工・設計者・編集者の集まり
ミニコミ誌「木と生活」発行

1987年

森林問題を考える会−ネットワーク21を始める
生活クラブ生協の組合員との共同主催

1990年

モクネットを始める
秋田県二ツ井町の人たち・生活クラブ生協の組合員の人たちと共同で作った山から都市へ直接手渡す杉の産直システム(杉を構造材や内装材に使用した住宅造り)

1993年

「木の住まい」創刊(林孝さん編集)
山辺豊彦さんと木構造勉強会を始める

1994年

建前学校を始める
建前に大工の参加を呼びかける

1996年

実大耐力壁の加力試験を始める
※以後大工塾の講義に引継ぎ、100体以上の耐力壁の加力試験と仕口の引っ張り試験を行ってデータを収集する

1998年

大工塾を始める
「建築家山へ、林業家街へ」徳島の林業家和田善行さんとの共著

2003年

山辺さんとの共同執筆「構造システム論・渡り腮構法」を住宅建築誌上で発表

2005年

東洋大学のプロジェクトに参加、大工塾で実験住宅(22.5坪)を建設

2006年

実験住宅の引っ張り試験

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